計算方法

最終更新日: 2026年9月2日

このページでは、本サービスが将来の資産推移を計算する仕組みを、実際のプログラムの実装内容に沿って 説明します。ここで示す結果は、あくまで入力した条件と以下の計算方法に基づく試算であり、将来を 予測するものではありません。

1. シミュレーション期間と月次計算

シミュレーションは、設定した「現在年月」を1か月目として、「シミュレーション終了年齢」に到達する年月まで、 1か月刻みで計算します。終了年齢に到達する月そのものも計算に含みます。各月について、その月の収支と 資産残高を順番に計算し、月末時点の残高を次の月の計算に引き継いでいきます。

2. 現金・運用資産・総金融資産の定義

  • 現金: 生活費等の支払いに充てる、すぐに使えるお金の残高です。
  • 運用資産: 積立投資等で運用しているお金の残高です。
  • 総金融資産: 現金と運用資産を合計した金額です(総金融資産 = 現金 + 運用資産)。

3. 毎月の処理順序

1か月分の計算は、必ず次の順序で行われます。この順序を変えると結果が変わるため、実装上も固定されています。

  1. 月初時点の運用資産に、その月の運用益を反映します。
  2. その月の手取り収入と、予定イベントによる収入差分を現金に加算します。
  3. 基本生活費と、予定イベントによる支出を現金から差し引きます。
  4. 設定した積立額を現金から運用資産へ振り替えます。この時点で現金が不足する場合は、積立額を 自動的に減額します(詳しくは「9. 積立額の自動減額」参照)。
  5. 積立後もなお現金がマイナスで、かつ「資金不足時に運用資産を自動売却する」設定が有効な場合、 不足額だけ運用資産を取り崩して現金に補充します(詳しくは「8. 現金不足時の処理」参照)。
  6. 運用資産を取り崩しても不足を解消できない場合は、現金はマイナスの値のまま残り、重大な警告を記録します。
  7. その月の月末残高(現金・運用資産・総金融資産等)を記録し、次の月の計算に引き継ぎます。

4. 運用利回りの月利換算

設定する「年間運用利回り」は、複利で月ごとの利率に変換してから使用します。年率をr(例: 4%なら0.04) とすると、月利は次の式で計算します。

月利 = (1 + 年率)1/12 − 1

毎月、その時点の運用資産残高にこの月利を掛けた金額を運用益として運用資産に加算します。

5. 収入上昇率の反映

設定した「年間手取り収入増加率」も、運用利回りと同じ方法で月利に換算し、経過月数に応じて複利で 手取り月収に反映します。シミュレーション開始からi か月後の月では、手取り月収に (1 + 収入上昇率の月利)i を掛けます。なお、この上昇率が反映されるのは基本の手取り月収のみであり、予定イベントに よる収入差分には収入上昇率は反映されません。

6. インフレ率の反映対象

設定した「年間インフレ率」も同じ方法で月利に換算し、経過月数に応じて複利で反映します。ただし、 インフレ率の対象となるのは次の項目のみです。

  • 基本生活費(毎月の生活費として設定した金額)
  • 予定イベントのうち、「物価連動(インフレ調整)させる」を有効にした支出項目

積立額、運用利回り自体、および「物価連動」を有効にしていない予定イベントの支出には、インフレ率は 反映されません。

7. 予定イベントの支出・収入の計上タイミング

予定イベントには次の4種類の金額項目があり、それぞれ次のタイミングで計上します。

  • 単発支出: 開始年月にのみ1回計上します。
  • 月次支出差分・月次収入差分: 開始年月から終了年月まで(両方の月を含む。 終了年月を指定しない場合はシミュレーション終了まで)毎月計上します。
  • 年次支出: 指定した月(指定しない場合は開始年月と同じ月)に、開始年月〜 終了年月の範囲内で毎年1回計上します。
  • 繰返し支出: 開始年月から指定した周期(年)ごとに計上します。買い替え費用 のように、初回の支出は単発支出として登録することを想定しています。

8. 現金不足時の処理と運用資産の自動売却

収入・支出・積立を反映した結果、現金がマイナスになった場合、「資金不足時に運用資産を自動売却する」 設定が有効であれば、不足額と保有する運用資産のうち少ない方の金額だけ運用資産を取り崩し、現金に 補充します。運用資産を全額取り崩してもなお不足額が残る場合は、現金はマイナスの値のまま計算を続け、 その月に重大な警告を表示します。この設定が無効の場合、運用資産の取り崩しは行われず、現金は マイナスのまま残ります。

9. 積立額の自動減額

積立額を運用資産へ振り替える際、実際に積み立てる金額は「設定した積立額」と「その時点の現金残高 (マイナスの場合は0円として扱う)」のうち、小さい方になります。これにより、積立によって現金が新たに マイナスになることはありません。ただし、積立前の時点ですでに現金がマイナスになっている場合、その 不足はこの処理では解消されず、「8. 現金不足時の処理」に進みます。

10. イベントのステータスと有効・無効の扱い

予定イベントには「確定」「予定」「検討中」のステータスと、「シミュレーションに含める(有効)」の チェックがあります。無効にしたイベント、およびダッシュボードの絞り込みで対象外にしたステータスの イベントは、その回の計算に一切含まれません(支出・収入のいずれにも計上されません)。

11. 「イベントなし」基準線との比較・将来資産差の計算

「イベントなし」との比較は、同じ設定・同じ初期資産のまま、すべての予定イベントを除いてもう一度 シミュレーションを実行し、その結果と実際の(イベントを含む)結果を、同じ年月同士で比較することで 算出します。差額は、ある年月における「総金融資産(イベントあり) − 総金融資産(イベントなし)」です。 複製したB案との比較も同様に、それぞれ独立して計算した2つのシミュレーション結果を、共通する年月の 範囲で比較します。単純な複利の再計算などは行わず、必ずシミュレーションを2回実行した結果同士の差分 として求めます。

12. 生活防衛資金の月数

設定した「生活防衛資金の目標月数」をもとに、各月の目標額を次の式で計算します。

目標額 = (その月の基本生活費 + その月の月次支出差分の合計) × 生活防衛資金の目標月数

現金残高がこの目標額を下回った場合、その旨の注意メッセージを表示します。なお、この目標額の計算対象は 基本生活費と月次支出差分のみであり、単発支出・年次支出・繰返し支出はこの計算には含まれません。

13. 必要収支改善額の逆算方法

シミュレーション期間中に総金融資産がマイナスになる月がある場合、「毎月あといくら収支を改善すれば 不足を防げるか」を、次の方法で逆算します。

  • 収入の増加と支出の減少は同じ効果として扱い、内部的には手取り月収への上乗せとしてシミュレートします。
  • 0円から月100万円までの範囲を1,000円単位で区切り、二分探索によって、全期間で総金融資産がマイナスに ならない最小の上乗せ額を求めます。
  • 上乗せ0円ですでに不足が発生しない場合は「改善は不要」、月100万円上乗せしても不足を解消できない場合は 「解消不可(infeasible)」と判定します。

14. 丸め処理

金額は常に整数円で扱います。運用益、基本生活費、予定イベントの各金額など、割合の掛け算が発生する 項目は、算出のたびに四捨五入して整数円に丸めます。丸めは各項目ごとに個別に行われるため、合計値には 数円程度の丸め差が生じる場合があります。

15. 税金・社会保険・手数料等の簡略化範囲

現在の計算では、所得税・住民税・社会保険料の計算、投資にかかる運用手数料(信託報酬等)や売買手数料、 利益に対する課税(譲渡益課税等)は、個別の項目として考慮していません。「毎月の手取り収入」は、 これらの税・社会保険料等を控除した後の金額として利用者が入力することを想定しています。同様に 「年間運用利回り」も、手数料等を控除した後の実質的な利回りとして入力することを想定しており、 手数料を個別に差し引く計算処理はありません。これらの簡略化により、実際の手取り額や運用成果とは 差が生じる場合があります。

以上が、本サービスにおける計算方法の全体像です。ここに記載のない計算(例えば相続税や贈与税の計算、 住宅ローンの詳細な返済シミュレーション等)は、現在の計算では考慮していません。表示される数値は、 あくまで入力条件とここで説明した計算方法に基づく試算結果であり、将来の実際の資産額を予測または 保証するものではありません。

最終更新日: 2026年9月2日

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